一人親方におすすめの会計ソフト【2027年提出】|インボイス・材料費・車両費で選ぶ

一人親方におすすめの会計ソフト【2027年提出】|インボイス・材料費・車両費で選ぶ

公開 2026-11-03 ・ 著者 マコト

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一人親方の帳簿は、材料のレシート、ガソリン代、工具、応援を頼んだ職人への支払いと、細かい支出が多いのが特徴です。そこにインボイス登録をしていれば消費税の申告も加わります。どの会計ソフトでも記帳はできますが、消費税申告が要るかどうかで選ぶべきプランと年額が変わり、スマホで申告まで終えられるかもソフトごとに違います。

この記事では freee会計・マネーフォワード クラウド確定申告・やよいの青色申告 オンラインの3本を、一人親方に特有の事情から比べます。料金と仕様は2026年11月3日時点の各社公式サイト、税金の扱いは国税庁の情報で確認したものだけを書いています。

結論

一人親方の会計ソフトは、インボイス登録の有無と申告書をパソコンで作るかの2つで決まります。

  • パソコンがあり、費用を抑えたい:やよいの青色申告 オンライン。全プランで消費税申告に対応し、セルフプランは初年度0円、2年目から年11,800円
  • インボイス登録済みで、スマホで申告まで終えたい:マネーフォワードのパーソナル(年15,360円)か、freeeのスタンダード(年23,760円)
  • 免税事業者のまま:3本とも年1万円強で使える

労災保険の特別加入の保険料は経費ではなく社会保険料控除です。ソフトを変えても扱いは変わりません。

最初に決めること:消費税の申告が要るか

インボイス(適格請求書発行事業者)に登録すると、基準期間の売上が1,000万円以下でも課税事業者になり、消費税の申告が必要になります。会計ソフトは、消費税申告ができるプランが分かれているものがあるので、ここで年額が変わります。

免税事業者のままインボイス登録済み(消費税申告が要る)
freee会計スターター 年11,760円スタンダード 年23,760円
マネーフォワード クラウド確定申告パーソナルミニ 年10,800円パーソナル 年15,360円
やよいの青色申告 オンラインセルフ 初年度0円→年11,800円セルフ 初年度0円→年11,800円(全プランで消費税申告に対応)

金額はすべて税抜・年払いです。freeeのスターターとマネーフォワードのパーソナルミニは消費税申告ができません。登録済みなのにこのプランを選ぶと、申告の時期にプラン変更が必要になります。

やよいの初年度0円は2027年3月15日までの申し込み分が対象で、自動更新の支払方法(口座振替かクレジットカード)の登録が必要です。

一人親方の帳簿で多い支出と記帳のしかた

ソフトの違いより先に、一人親方の帳簿でどんな支出が多いかを確認しておきます。どのソフトでも勘定科目は選べますが、同じ種類の支出を毎回同じ科目で入れることが、年末に集計をやり直さずに済む前提です。お金の流れを図にすると次のとおりです。

元請からの入金(売上) 事業用の口座・カード 必要経費にする 材料費・仕入 外注工賃(応援の職人) 車両費・旅費交通費 消耗品費・減価償却費 経費にしない 労災特別加入 の保険料 事業主貸で記帳 所得税の確定申告(2/16〜3/15) 売上 − 必要経費 = 事業所得 保険料は社会保険料控除として差し引く インボイス登録済みなら 消費税の申告も(3/31まで)
労災特別加入の保険料だけは経費の列に入れず、申告時に控除として差し引く
支出記帳のしかた注意点
材料(木材・配線・ビス・パテなど)材料費または仕入元請から材料の支給を受けている現場では自分の支出にならない
応援を頼んだ職人への支払い外注工賃相手がインボイス登録しているかで消費税の控除額が変わる
ガソリン・高速代・駐車場車両費・旅費交通費など私用にも使う車は事業分だけを経費にする
10万円未満の工具・消耗品消耗品費買った年に全額を経費にできる
10万円以上の工具・車両固定資産として登録し減価償却下の表を参照
労災特別加入の保険料事業主貸(経費にしない)社会保険料控除として申告する

図1は、やよいの青色申告 オンラインのスマホアプリ「弥生 申告」の画面です。支出を入れるときは勘定科目を一覧から選び(外注工賃もこの一覧にあります)、請求書区分を指定します。

スマホアプリ「弥生 申告」の3画面。左は売上・消耗品費・仕入などの取引一覧、中央は仕入・給料賃金・外注工賃・旅費交通費などが並ぶ勘定科目の選択リスト、右は勘定科目・取引手段・取引先・請求書区分・仕入税額控除・税込金額・消費税率を入れる支出の入力画面
「弥生 申告」アプリの取引一覧(左)、勘定科目の選択(中央)、支出の入力画面(右)。iOSアプリの画面

出典:弥生株式会社「やよいの青色申告 オンライン|スマホアプリ」

工具と車両:いくらから減価償却になるか

国税庁の基準では、取得価額で扱いが分かれます。

取得価額扱い
10万円未満使い始めた年に全額を必要経費
10万円以上20万円未満一括償却資産として3年で均等に必要経費にできる
40万円未満(青色申告の中小事業者)年合計300万円まで全額を必要経費にできる特例。2026年4月1日以降の取得分から上限が30万円未満→40万円未満に上がった(2029年3月31日取得分まで)
上記を超えるもの法定耐用年数に沿って減価償却

車両の法定耐用年数は、一般用で次のとおりです。

車両法定耐用年数
小型車(総排気量0.66リットル以下。軽自動車・軽トラ)4年
貨物自動車(ダンプ式)4年
貨物自動車(ダンプ式以外)5年
その他の自動車(普通乗用車など)6年

3本とも固定資産台帳の機能があり、資産を登録すれば減価償却費を計算して仕訳まで作ります。私用にも使う車両は、登録時に事業で使う割合を入れておくと、減価償却費のうち事業分だけが経費になります(やよいは固定資産の登録画面で事業割合を設定します)。

私用にも使う車・スマホは按分する

国税庁は、家事と業務の両方に使う支出のうち必要経費にできるのは業務に直接必要だったと明らかに区分できる部分に限る、としています。休日にも乗る車なら、走行距離や使用日数などで事業分の割合を決め、その割合で経費にします。

ソフト側では、freeeとやよいは家事按分の機能で割合を設定すると、決算時に自動で私用分を振り替えます。マネーフォワードにも家事按分の機能がありますが、消費税の計算方法を「積上げ」にしていると使えず、「割戻し」にする必要があります。インボイス登録済みの人はここだけ設定を確認してください。

労災特別加入の保険料は経費にならない

一人親方が特別加入団体を通じて払う労災保険料は、事業のための支出に見えますが、必要経費ではありません。国税庁は社会保険料控除の対象として「労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料」を挙げています。国民健康保険や国民年金と同じく、確定申告で所得から差し引く控除です。

会計ソフトでの扱いは次のとおりです。

  1. 事業用の口座から払ったなら、事業主貸で記帳する(経費の科目に入れない)
  2. 加入団体から届く保険料の領収書や証明書を保管しておく
  3. 確定申告書の作成時に、社会保険料控除の欄に支払額を入力する

経費に入れてしまうと、事業所得が少なく計算されたうえ控除も漏れる、という二重のずれになります。科目を選ぶ画面で迷ったら「経費の一覧には入れない」と覚えておけば十分です。

インボイス登録している人の消費税:2割特例・3割特例・簡易課税

インボイス登録をきっかけに課税事業者になった一人親方は、消費税の計算に特例が使えます。年分ごとに使える方法が変わるので、表で並べます。

年分(提出時期)使える方法
令和8年分(2027年3月31日まで)2割特例:売上の消費税額の2割を納付
令和9年分・令和10年分3割特例:売上の消費税額の3割を納付(個人事業者のみ)
令和11年分以降簡易課税または本則課税

国税庁のリーフレット(図2)では、下の表で個人事業者と法人の年分ごとの扱いが示されています。個人事業者は令和8年分が2割特例、令和9年分・令和10年分が3割特例です。

国税庁のリーフレット「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」の1ページ目。3割特例の創設と簡易課税制度選択届出書の提出期限の特例の説明があり、下の表で個人事業者は令和8年分が2割特例、令和9年分と令和10年分が3割特例、令和11年分は3割特例適用不可と示されている
国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月、5月改訂)の1ページ目

出典:国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」

2割特例も3割特例も、事前の届出は不要で、確定申告書に適用する旨を付記するだけです。対象は、免税事業者がインボイス登録したことなどで課税事業者になった課税期間に限られます。2割特例は、基準期間の売上が1,000万円を超えている年は使えません。

特例が終わった後の選択肢が簡易課税です(基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合に選べます)。建設業は第3種事業でみなし仕入率70%、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供は第4種事業で60%です。元請から材料の支給を受けて手間だけを請けている場合にどちらに当たるかは、国税庁の質疑応答事例「日本標準産業分類からみた事業区分(建設業)」で扱われています。自分の仕事がどちらになるかは、税務署で確認してから選んでください。

2割特例や3割特例を使った年の翌年に簡易課税へ移る場合は、その翌年の確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を出せば、その年から簡易課税を使えます。

現場からスマホでどこまでできるか

一人親方の記帳は、現場の昼休みや移動の合間にスマホで済ませるのが現実的です。3本でできる範囲が違います。

freee会計マネーフォワードやよいの青色申告
日々の取引入力アプリで可アプリで可「弥生 申告」アプリで可
レシート撮影アプリで可月15件(ミニ)・30件(パーソナル)・100件(プラス)まで無料「弥生 レシート取込」アプリで撮影→自動で仕訳候補
申告書の作成と電子申告アプリで可アプリで電子申告まで可不可(WindowsかMacで作成)

マネーフォワードのパーソナルミニはレシート撮影が月15件を超えるとプランのアップグレードが必要です。材料や燃料のレシートが月に何十枚も出る人は、パーソナル(超過分は1件20円)を前提に考えたほうが合います。

図3はfreee会計アプリのレシート撮影画面、図4はマネーフォワード クラウド確定申告アプリのホーム画面(事業ノート)で、どちらも各社の公式サイトに載っている紹介画像です。

freee会計のスマホアプリで領収書を撮影する画面。上部に「キャンセル」と「1枚を登録」、中央に領収書のプレビュー、下に「レシートを撮影してください」と表示されている
freee会計アプリのレシート撮影画面

出典:freee株式会社「freee会計(個人事業主向け)」

マネーフォワード クラウド確定申告のスマホアプリの「事業ノート」画面。会計期間と、今月の売上・経費・損益が表示されている。両脇に同社のキャラクターのイラスト
マネーフォワード クラウド確定申告アプリの「事業ノート」画面。今月の売上・経費・損益が表示される

出典:株式会社マネーフォワード「マネーフォワード クラウド確定申告」

やよいは記帳とレシート取込はスマホでできますが、年に一度の申告書作成だけはパソコンが要ります。家にパソコンがあるなら問題になりません。

一人親方の観点で3本を比べる

項目freee会計マネーフォワードやよいの青色申告
消費税申告ができる最安プランスタンダード 年23,760円パーソナル 年15,360円セルフ 初年度0円→年11,800円
消費税申告なしの最安プランスターター 年11,760円パーソナルミニ 年10,800円セルフ(同上)
月払いあり(スターター月1,780円)あり(ミニ月1,280円)なし(年払い)
スマホで申告まで完結◎◎×
電話サポートの最安プレミアム 年39,800円パーソナルプラス 年35,760円ベーシック 初年度0円→年22,800円
無料で試せる期間30日間1ヶ月初年度0円(2027年3月15日申込まで)

金額はすべて税抜です。freeeとマネーフォワードは青色・白色の両方の申告に対応しています。やよいの青色申告 オンラインは青色申告用の製品で、白色申告には別製品(やよいの白色申告 オンライン)があります。より細かい機能の差はひとり社長の会計ソフトおすすめ3選と、1対1の比較(freee vs マネーフォワード、freee vs やよいの青色申告、マネーフォワード vs やよいの青色申告)で扱っています。

状況別の選び方

選ぶ順番は、インボイス登録の有無、次に申告書をパソコンで作るかどうかです。

はい インボイス登録している? 消費税の申告が要るかどうか 申告書をパソコンで作れる? スマホだけで申告まで終えたいか いいえ(免税事業者のまま) 3本とも年1万円強で足りるMF 10,800円/freee 11,760円やよい 11,800円(初年度0円) はい(パソコンで作る) やよいの青色申告 セルフ初年度0円 → 2年目から年11,800円 いいえ(スマホで申告まで終えたい) MF パーソナル 年15,360円freee スタンダード 年23,760円 金額は税抜・年払い(2026年11月3日時点)
一人親方の会計ソフトは、インボイス登録の有無と申告書を作る端末の2つで決まる

家にパソコンがあり、年間の費用を最小にしたいなら、やよいの青色申告 オンラインのセルフプランです。インボイス登録していても追加料金なしで消費税申告まで作れるので、登録済みの一人親方ほど差が大きくなります。2年目以降は年11,800円です。

パソコンを開かず、スマホで申告まで終えたいなら、マネーフォワードかfreeeです。インボイス登録済みなら、年額はマネーフォワードのパーソナル(15,360円)のほうが8,400円安くなります。freeeは質問に答える形で取引を登録でき、確定申告の画面も◯✕の質問で進むので、簿記の知識がない人には迷いにくい作りです。freeeでの申告の流れはfreeeで確定申告するやり方にまとめています。

操作に詰まったら電話で聞きたいなら、やよいのベーシックです。初年度0円、2年目から年22,800円で電話・メール・チャットのサポートが付きます(契約期間中10回まで)。freeeとマネーフォワードで電話サポートが付くのは最上位プランだけです。

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全プランで消費税申告・インボイス対応・e-Taxが使え、セルフプランは初年度0円、2年目から年11,800円(税抜)。スマホアプリで取引入力とレシート取込ができ、申告書はパソコンで作成します。電話で聞きたい人はベーシック(初年度0円→年22,800円)。

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令和8年分の申告に向けた日程

2026年1月〜12月の所得の申告は、所得税が2027年2月16日〜3月15日、個人事業者の消費税が2027年3月31日までです(国税庁が示す原則の期間。令和8年分の特集ページはまだ公開されていません)。

青色申告で65万円の控除を受けるには、複式簿記で記帳して期限内に申告することに加え、e-Taxで申告するか、帳簿を優良な電子帳簿として保存する必要があります。会計ソフトから電子申告すれば、e-Taxの要件は満たせます。なお令和9年分からは、e-Taxに加えて優良な電子帳簿の要件を満たすと最大75万円の控除になり、前々年の事業所得の収入が1,000万円を超える人は簡易簿記での10万円控除が使えなくなります。

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よくある質問

一人親方におすすめの会計ソフトはどれですか?

インボイス登録の有無と、申告書をパソコンで作るかどうかで決まります。パソコンで作れて費用を抑えたいなら、全プランで消費税申告に対応する やよいの青色申告 オンライン(セルフプランは初年度0円、2年目から年11,800円・税抜)。スマホで申告まで済ませたいインボイス登録済みの人は、マネーフォワード クラウド確定申告のパーソナル(年15,360円・税抜)か freee会計のスタンダード(年23,760円・税抜)です。

労災保険の特別加入の保険料は経費になりますか?

なりません。国税庁は労災保険の特別加入者が負担する保険料を社会保険料控除の対象に挙げています。事業の必要経費ではなく、確定申告で所得から差し引く控除として扱います。事業用の口座から払った場合、会計ソフトでは事業主貸で記帳する方法が各社のヘルプで案内されています。

インボイス登録した一人親方は2割特例を使えますか?

免税事業者からインボイス登録して課税事業者になった個人事業者なら、令和8年分(2027年3月提出)の消費税申告まで2割特例を使えます。事前の届出は不要で、申告書に適用する旨を付記します。令和9年分と令和10年分は、同じ条件の個人事業者向けに納付税額を売上の消費税額の3割とする3割特例が設けられています。

工具や軽トラはいくらから減価償却が必要ですか?

取得価額10万円未満なら買った年に全額を必要経費にできます。10万円以上20万円未満は一括償却資産として3年で均等に経費にできます。青色申告の中小事業者は、令和8年4月1日以降に取得した40万円未満の資産を年合計300万円まで一括で経費にできる特例があります。これを超える車両は耐用年数に沿って減価償却します。軽自動車(総排気量0.66リットル以下)の法定耐用年数は4年です。

スマホだけで確定申告まで終えられますか?

freee会計とマネーフォワード クラウド確定申告は、スマホアプリから申告書の作成と電子申告ができると案内しています。やよいの青色申告 オンラインのスマホアプリは日々の取引入力とレシート取込用で、確定申告書と青色申告決算書の作成はWindowsかMacで行う仕様です。

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