バーチャルオフィス1は月880円で法人登記できる?料金の内訳と向き不向き【2026】
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ひとりで起業するとき、最初に手が止まるのが住所です。法人の登記簿に載る住所も、名刺や請求書に書く住所も、初期設定のままだと自宅になります。登記簿は誰でも取得できるので、自宅で登記するというのは自分の住んでいる場所を、取引先にも見知らぬ第三者にも開示するということです。
バーチャルオフィスはその1点を解決するための道具です。ただし「住所を借りる」と一口に言っても、登記に使えるか、郵便物をどう受け取るか、どこまでが基本料金かはサービスごとに違います。この記事ではバーチャルオフィス1を単体で分解し、初年度にいくらかかるのか、何が基本料金に含まれ、何が実費なのかを整理します。
結論
郵便物がほとんど届かない事業なら、かなり強い選択肢です。年間契約で月880円、初年度は入会金込みで16,060円。この価格帯で法人登記まで基本料金に含むのは安いほうです。
逆に紙の郵便が毎月まとまって届く事業だと、月額の安さは効きません。転送料が実費だからです。月額880円という数字は「住所を置く権利」の値段で、郵便物の運搬費は別建て、という設計だと理解してください。
料金の全体像:初年度16,060円、次年度から10,560円
まず総額から見ます。月額だけを見ると判断を誤るので、入会金を足した年額で並べます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月額(年間契約) | 880円 |
| 月額(単月契約) | 3,960円 |
| 入会金 | 5,500円(初年度のみ) |
| 初年度合計(年間契約) | 16,060円 |
| 次年度以降(年間契約) | 10,560円 |
単月契約と年間契約の差が4.5倍あります。ここがこのサービスの価格設計の中心で、月880円という表示価格は年間契約が前提です。単月3,960円で使うと年47,520円になり、価格の優位は消えます。
起業のタイミングでは「事業が続くか分からないから単月で」と考えたくなりますが、それをやると安さの理由がなくなります。年間契約を前提に検討して、1年やってみて合わなければ次年度に切り替える、という判断のほうが金額に合っています。
基本料金に含まれるもの
月額880円の中に何が入っているかを確認します。バーチャルオフィスは「住所だけ貸して、あとは全部オプション」という構成もありうるので、ここが実質的な比較軸になります。
- 住所の利用と法人登記 — 登記に使うこと自体に追加費用はかかりません
- 郵便物の到着をLINEで通知 — 届いたかどうかを能動的に確認しに行かなくて済みます
- 店舗での受け取り — 転送を待たずに自分で取りに行く選択肢が残ります
- 来客応対システム — 拠点に訪問者が来たときの応対の仕組みが用意されています
- 月4回の郵便転送 — 回数は基本料金の範囲(送料は別、後述)
- DM(不要な郵便物)の破棄 — 広告物まで転送されて送料を払う事態を避けられます
- 法人口座開設保証 — 口座開設に向けたサポートが基本料金に含まれます
注目したいのはDMの破棄が基本料金に入っている点です。法人登記をすると、登記簿の情報をもとにした営業DMが一定量届きます。転送料が実費の設計では、この広告物を全部送られると送料が無駄に積み上がります。破棄を頼める前提があるかどうかは、月々の実額に直接効きます。
「転送料は実費」の意味を数字にする
このサービスを評価するうえで一番重要なのがここです。月4回の転送という回数は基本料金に含まれますが、送料は実費です。
案内されている目安は、50gまでで150円から。500g以上になると宅配便扱いになります。つまり実際の月額はこうなります。
| 月に届く郵便物 | 月額の目安 |
|---|---|
| ほぼ届かない(店舗受取・破棄で済む) | 880円 |
| 軽い封書が月4回(50g以内) | 880円 + 600円 = 約1,480円 |
| 厚みのある書類が毎月まとまって届く | 宅配便扱いになり、実費がさらに乗る |
上の表を見ると、このサービスが誰にとって安いのかがはっきりします。
安いのは、取引も契約もオンラインで完結し、紙が届かない事業です。Web制作、開発、コンサルティング、デザイン、オンライン講座、アフィリエイト、SaaSの個人開発——このあたりは登記用の住所が要るだけで、実際の郵便物は年に数通しか来ません。この層にとっては月880円がほぼそのまま総額になります。
逆に、請求書や納品書が紙で届く商流、行政からの通知が多い業種、物販で返送が発生する事業では、実費が毎月乗ります。この場合は月額の安さではなく、転送1回あたりのコストと運用のしやすさで比べるべきです。
拠点は3つ(渋谷・神保町・広島)
契約できる住所は以下の3拠点です。
| 拠点 | 住所 |
|---|---|
| 渋谷店 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-16-6 二葉ビル8B |
| 神保町店 | 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-10-31 IWビル1F |
| 広島店 | 〒730-0051 広島県広島市中区大手町1-1-20 相生橋ビル7階A号室 |
選び方の実務的な基準は2つです。
1つめは取りに行けるかどうか。店舗受け取りが基本料金に含まれている以上、生活圏の近くを選べば転送料をほぼゼロにできます。東京在住なら渋谷か神保町、広島在住なら広島店。これだけで実費の項目が消えます。
2つめは住所が事業の見え方に合うか。渋谷と神保町では、取引先が受ける印象が違います。IT・クリエイティブ寄りなら渋谷、出版・教育・士業まわりなら神保町のほうが座りがよい、といった判断はありえます。ただしこれは効果を測れる要素ではないので、迷ったら取りに行きやすさで決めて構いません。
有料オプション:必要になってから足せばいい
基本料金で足りない部分は、オプションで補う構成になっています。
| オプション | 料金 |
|---|---|
| スポット転送(4回を超える転送) | 550円 + 発送費用 |
| 時間外郵便受取ポスト | 月2,640円(年払い) |
| 郵便物の開封スキャン | 月880円(2枚目以降は1枚440円) |
| 高速転送・追跡あり | 月880円 + 郵送費用 |
| ワークスペース利用 | 月8,800円 |
| 定款保管 | 月880円 |
| 会議室 | 拠点により要問い合わせ |
| 電話転送 | 980円〜(現在受付停止中) |
このうち、最初から契約を検討する価値があるのは「開封スキャン」だけです。理由は単純で、これだけが「転送を待たずに中身を知る」手段だからです。届いた郵便物がDMなのか、行政からの通知なのか、期限のある書類なのかを、転送前に判断できます。判断できれば、破棄・店舗受取・転送を選び分けられ、結果として転送料が減ります。
一方、ワークスペース(月8,800円)は基本料金の10倍です。作業場所が欲しいという動機なら、そもそもバーチャルオフィスではなくコワーキングスペースを検討すべきで、このオプションを前提に契約するのは筋が悪い選び方です。
契約前に確認すべき、バーチャルオフィス全般の落とし穴
ここからはバーチャルオフィス1に限らず、この形態のサービス全般に共通する注意点です。安さに引かれて契約したあとで詰まるのは、たいていこの3つのどれかです。
1. 許認可が必要な業種は住所要件で落ちる
人材派遣、有料職業紹介、古物商、建設業、不動産業、士業などは、営業所や事務所の実体を求める要件があります。面積要件が明示されている業種もあれば、独立性や専有性を運用で見る業種もあります。いずれにせよ、バーチャルオフィスの住所では許可が下りないことが一般的です。
該当しそうな事業を考えているなら、契約する前に監督官庁(労働局、警察署、都道府県庁など)に直接確認してください。ここは一般論で判断せず、自分の業種・自分の地域の運用を聞くのが唯一確実な方法です。
2. 銀行口座は「住所」ではなく「事業実態」で見られる
法人口座の審査で見られるのは、住所そのものより事業の実体です。バーチャルオフィスだから即否決ということはありませんが、事業内容・想定される入出金・取引先を自分の言葉で説明できるかは問われます。Webサイト、契約書のひな型、見込み客とのやりとりなど、事業が動いている証拠を用意しておくと通りやすくなります。
3. 「住所を書く欄」がどこにあるかを棚卸ししておく
法人登記だけでなく、事業をやると住所を書く場面がいくつも出てきます。特定商取引法に基づく表記、各種プラットフォームの出品者情報、契約書、請求書。どの欄にバーチャルオフィスの住所を使ってよいかは場面ごとに違うので、自分の事業でどこに住所を書くことになるかを先に洗い出しておくと、契約後に慌てません。
向いている人・向いていない人
ここまでの内容を、判断の形に落とします。
向いている人- 自宅住所を登記簿や名刺に載せたくないひとり社長・フリーランス
- 事業がオンライン完結で、紙の郵便がほとんど届かない
- 渋谷・神保町・広島のいずれかが生活圏で、取りに行ける
- とりあえず住所を確保して事業を始めたい(月880円なら判断コストのほうが高い)
- 許認可が必要な業種(先に監督官庁へ確認するのが先決)
- 紙の郵便物が毎月まとまって届く商流
- 作業場所そのものが欲しい(コワーキングスペースの検討が先)
- 固定電話番号が事業要件になっている(電話転送が受付停止中のため)
★★★★☆ 4.0
年間契約で月額880円、入会金5,500円。法人登記・月4回の郵便転送・LINE到着通知・DM破棄・法人口座開設保証が基本料金に含まれます。転送の送料は実費(50gまで150円〜)なので、郵便物が少ない事業ほど表示価格に近い金額で使えます。拠点は渋谷・神保町・広島の3つ。
\年間契約なら月880円・法人登記込み/
バーチャルオフィス1の公式サイトを見る申し込みの流れ
- 拠点を決める。渋谷・神保町・広島のうち、取りに行ける場所を選びます。店舗受取が使えるかどうかで実費が変わります。
- 契約期間を決める。年間契約と単月契約で月額が4.5倍違います。月880円は年間契約が前提です。
- オンラインで申し込む。本人確認はeKYC(オンラインでの本人確認)で行います。書類を郵送する必要はありません。
- 本人確認が完了したら住所を使い始める。法人登記、名刺、Webサイトの表記などに反映していきます。
- 郵便物の運用を決める。転送・店舗受取・破棄のどれを基本にするかを最初に決めておくと、実費が読めるようになります。
公表されている利用者の評価
公式に示されている数字として、顧客満足度94%(2024年8月・利用者300人を対象)、契約更新率93%が挙げられています。
こうした数値は事業者側の公表値なので、そのまま鵜呑みにする性質のものではありません。ただし契約更新率のほうは、バーチャルオフィスというサービスでは比較的意味のある指標です。年間契約が前提で、住所を変えるには登記変更(登録免許税がかかります)が必要になるため、更新は「積極的に選び直した」というより「変える理由がなかった」に近いからです。逆に言えば、更新率が低いサービスは何か理由があって出ていかれている、と読めます。
まとめ
バーチャルオフィス1の評価は、「自分あてに紙の郵便物がどれくらい届くか」の一点でほぼ決まります。
オンライン完結の事業なら、年16,060円(次年度以降10,560円)で自宅住所を出さずに法人登記できる、わかりやすく安い選択肢です。紙が届く事業なら、月880円という表示価格は実態を表しません。
契約前にやっておくことは2つだけです。許認可が必要な業種かどうかを監督官庁に確認することと、解約条件を書面で確認すること。この2つさえ潰しておけば、月880円は迷って寝かせるほどの金額ではありません。
月880円の詳細を見るよくある質問
バーチャルオフィス1は月額いくらですか?
年間契約なら月額880円、単月契約なら月額3,960円です。別に初年度のみ入会金5,500円がかかるため、年間契約の初年度は合計16,060円、次年度以降は年10,560円になります。
月額880円に法人登記の費用は含まれますか?
含まれます。住所の利用と法人登記は基本料金の範囲で、登記に使うこと自体に追加費用はかかりません。登記手続きそのもの(登録免許税など法務局へ納める費用)は別途必要です。
郵便物の転送料も月額に含まれますか?
含まれません。月4回の転送という回数は基本料金に含まれますが、送料は実費です。50gまでで150円からという案内で、500g以上は宅配便扱いになります。月額だけを見て総額を見誤りやすい部分なので、自分あての郵便物の量を先に見積もってください。
拠点はどこにありますか?
渋谷店(東京都渋谷区道玄坂)、神保町店(東京都千代田区神田神保町)、広島店(広島県広島市中区大手町)の3拠点です。法人登記に使った住所は登記簿に記載され、誰でも閲覧できる情報になります。
バーチャルオフィスの住所で許認可は取れますか?
業種によっては取れません。人材派遣、職業紹介、古物商、建設業、士業などは営業所や事務所の実体を求める要件があり、バーチャルオフィスの住所では許可が下りないことが一般的です。許認可が必要な事業を考えている場合は、契約前に監督官庁へ確認してください。
法人口座は必ず開設できますか?
「法人口座開設保証」というサービス名のサポートが基本料金に含まれますが、口座を開くかどうかを決めるのは銀行です。バーチャルオフィスの住所というだけで審査が通らないわけではありませんが、事業実態の説明は自分で用意する必要があります。保証の対象範囲は申込前に確認してください。